文献録作製のすすめ

 某月某日、さる方よりこんなE.mailをいただいた。
『不動産鑑定という業界月刊誌があります。 昭和40年の創刊に近い頃から先月号までのバックナンバー約45年分が事務所の隅に積み上げられています。 「読まないのなら、片付けてください」と言われても、「必要になったときに読めないと困るから」と保管し続けています。
 これまでは自分で保存しないとバックナンバーは手に入れられませんでした。それが怖くてを、言い訳に事務所のかなりのスペースが本の山になっています。しかし、最近では図書館が充実してきましたし、さらにはgoogleが書籍検索を日本でも始めるらしい。バックナンバーを全部とっておく必要はない時代です。何よりも、古い雑誌を読み返すことはこれまでほとんど無かったのですから、現実的にも必要性は疑問です。それでも活字中毒の身としては、なかなか捨てられません。 
 捨てるにしては40年以上のバックナンバーです。どこかに活用する方法があるのかも知れません。どなたか、この本の山を活用する方法を知っている方はいないでしょうか』




《この問いかけに茫猿はこのようにお答えしました。》
 溜まる一方の資料や書籍の整理に困惑するのは、どなたも御同様のようです。貴兄とは年齢も状況も違いますから、参考になるかどうか判りませんが、小生の場合はこのように致しました。

1.目次録の作製
 不動産鑑定誌だけではございませんが、類似冊子には年末や年度末に年間目次集が掲載されます。小生は、この目次集をファイルにしておりました。ご参考までに不動産鑑定誌の目次集をエクセル変換して添付します。最近数年間は購読も止めていますので、作製していないのですが、記事検索の参考になるのではと思います。 この文献録:目次ファイルは不動産鑑定等の定期刊行物だけでなく、関連する一般書籍もファイルにしています。

2.昨年、事務所を個人事務所へと縮小した際に、土地宝典等の様々な資料、書籍を整理して同業若手に無償で譲りました。 私は前述の文献録ファイルを持っていますから、必要な時には随時閲覧させてもらうという条件付きで譲りました。 彼は「事務所の棚飾りが増えた」と喜んでくれました。

3.士協会事務局に譲渡することも考えましたが、保管場所もないし管理も覚束ないので、あまり良い方法とは思えません。若手に喜ばれ、書籍もまた再び日の目を見るのであれば、あれで良かったと思っています。

 不動産鑑定評価関連の定期刊行物や書籍は、元々マイナーであり発行部数が少ないことなどから、バックナンバーの存在が明らかでないし、既に絶版になっている書籍も少なくありません。 蔵書を大切に保管することは大事でしょうが、ともすると死蔵書となりかねませんし、いつかは資源ゴミと成り果てることもあるでしょう。 文献録を作ることと、それら蔵書の保管されている事務所を公開して、書籍の有効活用を図ることも考えなければならないと思われます。

 絶版といえば、故櫛田光男氏著「不動産の鑑定評価に関する基本的考察」も絶版になって久しいものがございます。 数年前に、限定私家版で復刻されましたが、多くの方に行き渡ることもなく、また入手困難なままにうちすぎています。 鑑定協会が五十周年記念事業の一つとして復刻を企画すると良いのでしょうが如何なものでしょうか。

 茫猿の身の回りでも廃業されてゆく先輩鑑定士が時々見受けられますが、その方々が保管しておられた蔵書や資料の運命が気に掛かります。 廃業事務所から蔵書や様々な資料の寄贈を受けて保管し閲覧に供する図書・資料室ができれば良いことなのだがと思わされることです。

《追記》
 小生は岐阜県関係の「大日本帝国陸地測量部・明治24年測図:二万分の一地形図」の復刻版を持っています。 昭和56年に岐阜県郷土資料研究会の手により複製されたもので、当時の頒価は三千円でした。 明治24年当時の実測地図ですから、ほとんど江戸時代とあまり変わらない当時の岐阜県の様子が地図から読みとれます。 中山道の松並木が地図から読めますし、変わってしまった旧河川や今は繁華街や住宅地になっている場所の往事の状況もよく判ります。
 これをスキャニングしてCDに焼き付けて士協会の仲間で活用することを考えてみたのですが、著作権の関係もあることから、スキャンは終わったもののCD配布はまだ実現していません。 著作権に抵触せず、皆が有効に活用できる方法はないものかと思っているところです。
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by bouen | 2009-06-06 10:54 | 不動産鑑定


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