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六本木ヒルズ資本主義

本日のJMM-NO.345は村上ファンド阪神電鉄の係争を取り上げている。
そのなかで、目新しい用語が幾つか使われている。
六本木ヒルズ資本主義
 このブログでも既に取り上げたが、六本木ヒルズに代表される[IT関連先端企業」は、一見最先端に見えるのはITとかネットとか表層的な部分であり、中身は以外と泥臭く前近代的であるようだ。
 R天のM氏などは体育会系の乗りで朝会を行うようだし、ドラえもんドアのH氏の関連企業も、「山の呼び声ポータルサイト(ヤッホー)」も営業マンは大量採用大量退社というか、営業ノルマが相当に厳しいようだし、下請けに示す条件も厳しいようである。 現実の企業は、年収数百万円の若い働き蟻の長時間労働が資産数十億のにわか長者を支えるといった構図であるとJMM論者(山崎元氏)は喝破する。

天動説と地動説
 別の論者(三ツ谷誠氏)は村上氏の行っていることは、或る種の「価格の歪み」を探し出し、その歪みが是正されることで利益を稼ぎ出すアビトラージャー(鞘抜き屋)だと云う。すなわち価格というものは或る価値判断の基準を共有する集団の中では常に理論的に成立するが、同じ理論の基盤を持たない集団の中ではそうなる保証はない。
 つまり地動説が仮に真理であっても、天動説を信仰する集団の中では、やはり太陽や星々こそが、地球の廻りを廻るのである。



 六本木ヒルズ資本主義にしても、鞘抜き屋天動説にしても、ゲマインシャフトに暮らす鄙の住人には縁の遠い話である。でも、ふと思い出すのである。茫猿がまだ三十になるかならぬかの頃、待遇で愚痴を零したら、「人に使われると云うことは、頭を張られることだし、人を使うと云うことは頭を張ることだよ。金というものは自分で稼いでもしれているよ、人に稼がせなければ駄目だよ。さらに上策は金に金を稼がせることだよ。」
 折角の教えも、一向に身に付かずにこの歳になりましたが、しみじみと思います。人と同じことをやっていては、金は稼げない。塀の上を歩けとまでは云わないが、せめて塀沿いに歩くくらいの覚悟はいるのだろうとおもう。
それにしても、スポットライトを浴びて派手にプレイする彼等六本木ヒルズ資本主義の申し子達ではあるが、背後で天動説を信奉するふりをしながら秘かに彼等へ低利融資を繰り広げるメガバンク経営者達の内面には一体何が流れているのだろうか。想像するだに心寒い風景である。
by bouen | 2005-10-18 16:51 | 茫猿の吠える日々


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