角館逍遥

DATE: 10/09/2009 07:31:21 AM
 明けて10月4日、盛岡二泊目の朝も快調に目ざめ見晴らしの良いレストランで朝食を頂き、盛岡駅に向かい、盛岡発9:24、角館着10:10の秋田新幹線:こまち1号の乗客となる。今日は角館逍遥なのである。 

 ところで、秋田新幹線は東京からハヤテ(疾風)に併結されて盛岡に到着し、盛岡駅で分離の後、盛岡からは田沢湖線で秋田に向かう。 在来線乗り入れ車輌だから車幅が狭いので開閉式のステップがついている。 新幹線ホームではステップが開くのである。
 いずれにしても、盛岡駅新幹線ホームから出発して、直ぐに在来線に乗り入れるのであり、スピードは遅いし、単線区間だから対向列車離合もあるし、東海道新幹線などに慣れた身には何やら妙な感覚である。 この奇妙感覚の極めつけは角館駅で幾つか味わうこととなる。




 見るからにローカル駅のこれまた旧来型跨線橋ホームの角館駅に秋田新幹線こまちが入線してくる。非日常的奇妙感覚である。
  

 和風屋根を持つ角館駅である。駅前には秋田内陸縦貫鉄道駅や観光案内所も立地する。
  

 角館の町は旅びとに優しい町である。随所に案内標識が設けられていて迷わない。町自体も大きくない上に、クランク角はあるもののほぼ一本道だから、迷いようもないけれど。
  

 武家屋敷通りの南入口、市役所角館支所付近から北方を望む緑濃い町筋である。 城下町にしては通りがやたらと広いのは火災での類焼を防ぐ備えだそうである。
  

 武家屋敷門構え、その壱 今も居住し生活を営んでいる証拠に表札が掲げられている。
  

 武家屋敷の構え、その弐 こちらも居住者あり。
  

 武家屋敷の構え、その参 同じく居住者あり。 角館武家屋敷に目立って多いのは饂飩店である。 それも揃って秋田稲庭饂飩店である。 察するに昨今の稲庭饂飩ブームで成功した饂飩長者が、維持費用の嵩みに持て余した武家屋敷を買い取って、饂飩店を営業していると思われる。 茅葺き屋根や玉石基礎の家屋を維持してゆくのは大変だから、武家屋敷が饂飩店に替わるのも仕方ない世の倣いということであろう。
  

 樹木の多い武家屋敷町は、なかでも枝垂れ桜が群を抜いて多い。しかも古木が多いから、花の頃はさぞかしと思わされる。 しかし、今は秋であるから桜の花はないが、代わりに咲きそろったダリアが迎えてくれた。
  

 とある、お屋敷の生け垣にはムラサキシキブがゆかしい朱紫色の実を附けていた。
  

 屋敷町の枝垂れ桜だけでなく桧木内川沿いの堤の桜並木も結構なものである。 手入れが行き届いているとみえて、まだ紅葉も落葉もしていない。 川のなかには青鷺や鴨が餌取りをしていた。
  

 角館は城下町だから武家屋敷だけではない。 歴史ある商家も見所が多い。 この味噌醤油醸造元の蔵座敷(赤煉瓦造りの建物)は二十畳もある見事なものだった。 でも窓のない蔵座敷の住み心地はどんなだろうと思わされる、夏涼しくて冬暖かいのは判るのだけど。
  

 醤油醸造元の店先の設えも落ち着いた品佳きたたずまいである。。
  

 角館の昼食は蕎麦にする。 秋田には珍しい板蕎麦だと思ったら、ご主人は山形天童の出身だそうな。 小鉢はバァッキ味噌(蕗の薹味噌)、これが大吟醸菊蔵に見事に合いました。 己の鼻勘を頼りに暖簾をくぐって、土地々々の旨い酒、旨い肴に出会えるのが気儘旅の醍醐味である。
  

 最後は定番、角館の蓋です。意匠が何に由来するのかはまだ調べていません。
  

 以上でかねて憧れの角館逍遥は終わりである。 せっかくの角館行きだし再訪することなど無いかもしれないのだから、もう少し落ち着いて幾つかを観なければとも思う。 遠野でも感じたことなのだが、短い日程で遠野に角館に盛岡というのは欲が深すぎるし、駆け足で浅すぎる旅だとは思う。 多分、角館の本当の良さは雪の季節にせめて二泊、できれば三泊以上しなければ判らないと思う。 一つ一つの屋敷をじっくりと拝見することもなかったし、蕎麦にしたって「手打ち蕎麦ラリー」という催しが行われているが角館町内だけで五軒の蕎麦屋が参加しているのだから、この五軒を味わうだけでも最低二日くらいは必要なのである。

 海外に行けば滞在型の旅を好んで、可能な限り宿泊ホテルを変えない旅を選んできたが、国内旅行もぼちぼち滞在型に変えなければと考えている。 勿論、今回だって宿は盛岡三連泊にして一見滞在型だが、それほど腰を落ち着けて旅をしたという感じは残っていない。 盛岡の夜は同じ場所を何度も徘徊したし、同じ店に呑みに入ったのだが、それだけのことなのである。 
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by bouen | 2009-10-09 07:31 | 只管打座の日々


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