梅と月と富士

 三題噺です。 2/28はNSDI-PT関連でASP提供業者との面接があり上京していました。 協会事務局で10:30より会議、昼食もそこそこにして、ASP業者4社、関連1社と面接をしました。全社の面接が終わったのは午後6時を廻っていました。 前夜八時にREA-DATAを通じて届いた4社の企画提案書を自宅で、そして新幹線のなかでも読み込んで、面接を終えた頃には、茫猿のひ弱な脳髄はヨレヨレのクタクタでしたが、若干の打ち合わせも兼ねて虎ノ門から西新橋界隈をフラフラと彷徨ったものですから、翌朝はまだお酒が頭のなかでチャポチャポいう始末です。

 予定では、早朝に岐阜へもどり仕事に就くはずでしたが、とてもそんな気分ではないからと、在来東海道線に乗り、晴れているから何処かで梅に会えるだろう、富士山にも会えるだろうと、小田原方面へ向かったのです。 途中、海と梅が見えた国府津の駅で下車して御殿場線を考えたのですが、風が冷たそうだったのと、御殿場線の本数が少ないし御殿場線経由・国府津から沼津までの所要時間も考えると、とてもやばそうだからと、方針変更して沼津へ向かったことです。




 沼津の駅に降り立ったものの、駅前の人影はまばらだし、有名な干物屋がどこいらにあるのかも判らない始末、訪ねあてるのも面倒と「名物の駅弁・アジ押し寿司」を片手にぶら下げて足任せに千本浜海岸方面へと、駅前からのアーケード街沼津銀座通りをてくてくと歩いたのです。 途中乗雲寺というお寺に立ち寄ったら、紅梅白梅がみごとでした。境内にただよう梅の香りも、なかなかに佳しです。 この乗運寺には若山牧水の墓石がありましたので、合掌。
  

 松林を過ぎて千本浜海岸にたどり着いたものの、空に雲はなけれど海風強く、目指すあたりに富士の姿はなく雲ばかり、風を避けて駅弁を開く場所さえありません。 仕方ないから松林のなかにもどって、ベンチを探して、いささか侘びしい昼食をいただきました。 この写真の雲のなかに富士が見えるはずです。 海岸の案内板に掲載してある写真ではそのようでした。 画面に幾つかの黒い点が見えますが、多分風に舞った波しぶきだと思います。
  

 恒例の沼津の蓋です。 絵柄は富士と沼津海岸です。 沼津ご用邸あたりからはこのように眺められるのでしょうか。 沼津では浜から駅へとUターンしたのですが、港まで足を伸ばせば干物屋に出会えたのかもしれません。
   

 下本町というバス停で時刻表を見たら、折良く一時間に一本のバスが来るという時刻、それに乗って沼津駅に戻り、富士は諦めるとして三島大社に参詣でもと、それに三島から新幹線に乗れば佳かろうとも考えて三島へと向かったのです。 

 三島駅から大社へとまた歩き始めましたら小さな川沿いに「水辺の文学碑」というのがあり、三島ゆかりの作家が書いた一節を刻んだ幾つかの石碑が並んでいました。 太宰治、若山牧水、司馬遼太郎などと並んで宗祇の碑もあるではないですか。 茫猿にとっては郡上八幡の宗祇水で縁があり、つい先日は古今伝授の里を訪れたばかりですから、東常縁の名前も嬉しくて一枚撮りました。 《まさに、犬&棒気分です。》
  

 三島大社境内の紅白梅を一枚いただきました。
  

 三島駅からは伊豆箱根鉄道で修善寺方面へ向かえますが、今回は駅の外から写真だけいただきました。 次の機会には修善寺の湯けむりまで足を伸ばしたいものです。
   

 お社から駅へ戻り、駅前で山葵漬けやら農兵漬けやら干物やらを買い求めて新幹線乗り場に向かったら、何と云うことか、しばらく前から新幹線は新横浜-小田原間で線路火災やら架線切断やらで不通状態、復旧の見込は不明ですという掲示があります。 どうすることもできずに、一旦は三島駅新幹線口構外に出て、お鮨屋さんに入り昼食の取り直しと考えたのです。

 ところで、農兵漬けとは「富士の白雪ノーエ 富士のサイサイ 白雪朝日でとける」の農兵節に由来するものだそうです。 農兵節の次の一節が色っぽいが、それはこちらのサイトでご覧下さい。

 ビールをいただき、日本酒をいただき、とりあえずアジ、タコ、キンメ、タチウオ、サバなど地魚を握ってもらったり刺身でもいただきました。 ふとみると「ホウボウ」という名前が目に留まります。 食したことがないから、これもいただきです。 「ほうぼうで採れるのですか?」と伺いましたが、板前さんは笑って答えず。 まだまだゆっくりとしたいけど、いつ何時新幹線が動き出すか判らないからホームで待つべしと店の外へ出ましたら、ほろ酔っ払いの目の前には富士山です。 待てば海路の日和有りとはまさにこのこと、夕焼けの富士に出会えました。

  先ずは、キンメ(左)とサバです。 キンメも不味くはないがサバが絶品でした。 正直に板前さんに伝えたら、彼も「今日のサバはキンメなど眼じゃない。」とのことです。 前夜に虎ノ門・くぼた寿司でいただいたイワシとアジも美味しかったのですが、とても疲れていたのと、相方がお酒に強くて引きつられて呑んだ冷酒の廻りが早くて・・・・です。 とりあえず、寿司は三島に限るとしておきます。
   

 そして富士のお山です。写真は三島駅の下りホームから撮っています。時刻は五時を幾らか過ぎていたでしょうか。
   

 まだまだ来ない新幹線、ちょうど満月があかね雲をわけて昇ってきました。 今年の元旦も満月だったのですが、生憎の雪模様で月は見えず、2010年最初の満月です。
   

 やっと新幹線が動き出したのは十九時を廻っていましたか、"乗客救済"で臨時停車したひかりに乗りましたが、自由席は立ち客で一杯、指定席も混雑、グリーン車に空席を見つけたら、隣は和服の色白美形ひとり旅、手提げお荷物は棹箱(三味線箱)、どうみても粋筋です。 幸せと思ったのも束の間、酔魔と睡魔が襲ってきて高鼾、三河安城付近で気付いたら美形の姿無しです。 彼女は途中で降りたのか、はたまたそれとも我が高鼾に耐えかねて席を替わったのか、いささか惜しいことをしましたが、新幹線特急券が全額払い戻しを受けたから、三島のお鮨は只というわけで、加えてお釣りが"梅"に、"月"に、"富士"ですから、佳い道草旅でした。
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by bouen | 2010-01-31 12:54 | 線路ハ何処迄モ


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