日めくり万葉集

 満緑寿を二日後に控える今日、事務所の移転届けを出します。
明日からは事務所をまことの鄙に移転し、名実共に『鄙からの発信』となります。

 そんな鄙の閑人が、このところ気に入っているTV番組があります。 教育TVで早朝五時から、BShiでは6時55分から、毎日それぞれ5分間放送されている短い番組です。
日めくり万葉集」という番組です。 4500首の万葉集の中から「一日一首」、さまざまな分野で活躍する人々が、自らの推奨する一首を選び、選んだ思いを語ります。

 朝のひととき、壇ふみさんの朗詠を聞き、各界の選者が語る歌に寄せる思いを聞くのは、とても気持ちの良いものです。 おまけに一日一首づつ万葉集の教養が深まってゆくという余録まであるのです。 年ごとに寝起きが早くなっている茫猿には、加齢も悪くないなと思わせてくれる朝のひとときです。 BShiでは続いて7:25から新漢詩紀行も放送されています。




 《蛇足です。》 
(2010/02/19 23:05 鄙の新事務所にて追記)
 ネットの世界の便利さは判ってはいたが、事務所移転の諸々に便利さを改めて実感しています。 電話・電気・ガスの解約、事務所机・書庫など什器処分等々、その他の作業について移転届を提出した後に、挨拶回りなどをかねて、時間をかけてゆっくり行おうと思っていたのですが、全ての作業が実に速く円滑に進みました。

 午後7時には不要品の搬出も全て終わり、旧事務所はガランドウーになってしまい、明日からは岐阜へ出てゆく言い訳を探さねばならないなと、苦笑している始末です。 しばらくは挨拶回りと運び込んだ書類の整理という仕事が有るにはあるのですけれど。

(2010/02/20 20:25 鄙の新事務所にて追記)
 昨日は、不要家具備品の搬出、IT機器の移動再設置などで忙しく、旧事務所の掃除もしてなかったから、旧事務所へのお礼を込めて清掃に行ってました。 清掃と云ってもひどい汚れを落としたり掃除機をかけるくらいです。 事務所の表札をはずし、移転の案内文をドアに張れば、完了です。 暖房のない空き部屋で為すことなく過ごしていれば、やはり40年前が思い出されます。

 茫猿29歳、師匠41歳、師匠(故)新居作介の名古屋事務所岐阜支店として開設したのが1974/05、鑑定士登録をして一年余、鑑定業務経験わずか5年の若輩者でしたが、業界も若かったし、至る所にフロンティアが満ちていました。 当初鑑定評価基準が改訂されて間がなく、国土利用計画法は施行されたばかりでした。 その後、師匠は47歳の若さで急逝し、今や彼を知る人も少なくなりました。 29歳だった茫猿も今や緑々壽、歳月のうつろいというものの非情さを思います。

 いかにも私的な、Blog的な感慨ついでに、今日の事務所の姿を載せます。 長い間お世話になりました。 《合掌》
        

(2010/02/20 22:28 鄙の新事務所にて追記)
 麻生路郎(1888/7/10~1965/7/7)という川柳作家がいた。 麻生太郎とは何の関係も無い方です。 彼の著名な句を挙げてみます。 俺に似よの句は茫猿の心境でもあります。

  俺に似よ
     俺に似るなと
        子をおもい


 先の句だけではない。 こんな句をあの時代に詠んでいた勇気に敬服する。 茫猿の時代には教養でも常識でもあった「大杉栄」を、今や知る若者も少なくなった。
  大杉を
     殺し思想を
         取り逃がし


 彼の妻女・葭乃が詠んだ句も佳い、麻生路郎が妻にとても愛されていたのだと思わされる。 こんな佳人に酌される雪見酒なんてことは、夢のまた夢。 それにつけても、「俺に似よ」の句を詠み、そして「大杉を」の句を詠んだ麻生路郎だからこそ、妻女は「やめても欲しい」酒を酌したのだろうと思うのである。
   飲んで欲し
      やめても欲しい
        酒を注ぎ(つぎ)

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by bouen | 2010-02-19 07:10 | 只管打座の日々


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