弥生三月あれこれ

 幾つかのことが日本の行き先を変えてゆく予感がします。
 それは必然的に鑑定評価も変えてゆくことでしょう。
・楽天が英語の公用化を宣言してから一年余、ユニクロが追随した。
・年間営業利益一千六百億のヤフー新社長は44歳。
・国内にも格安航空会社が運航を開始した。
・TPP問題は農業と自動車等工業の争いから、社会規準のあり方を問い始めている。
・AIJ年金資金紛失問題は外部監査の義務化とその開示を求めようとしている。
・河村名古屋市長の不用意な南京事件発言の行方。
・愛知県並びに愛媛県は新公益法人の認定基準を満たしている旨の答申を受けました。





・楽天が英語の公用化を宣言してから一年余、ユニクロが追随した。
 英語の社内公用語化は外国人社員の応募を活性化し、優秀な外国人採用を容易にし、結果として海外進出を容易にするだけでなく、日本人社員の海外進出をも容易にするであろう。

 ニュースになっているのは楽天とユニクロの二社だけだが、あと二、三社追随する企業が現れれば、英語採用の拡大速度は加速し数年以内にはさほど珍しいことでは無くなるだろう。 そして、それは国内市場に閉塞感を感じている企業の国際化だけでなく、日本社会の閉塞感を緩和し国際化を進めてゆくだろう。 日本に希望を得られずに、上海、ソウル、ハノイ、バンコックへ移動しつつある若者も国内に居住しながら海外進出と似た果実を得られるようになるだろう。

・ヤフー新社長は44歳。
 日本最大のポータルサイト運営会社で営業利益1千六百億円の企業の新社長は44歳である。役員の平均年齢も53歳から41歳に若返るという。高齢者には辛いことかもしれないが、急成長企業の停滞感を払拭するきっかけになるだろうし、社会的影響も大きいだろう。 折しも役員末席から三十人抜きで社長に抜擢された元松下電器山下社長が亡くなったという。

・国内にも格安航空会社が運航を開始した。
 日航再建問題などが背景にあるのだろうが、航空市場や路線認可の無用な規制が取り払われることになるだろうし、新幹線、高速道路、航空路線の高速移動手段を的確に比較し費用対効果を極大化する方向性が明確化してゆくであろう。それは社会資本投資を有効に行うことに資するだろう。

・TPP問題は農業と自動車等工業の争いから、社会規準のあり方を問い始めている。
 少子高齢化社会に突入した日本が、止められない市場の縮小化にどう対応するのか、外国人介護士をどのように迎えてゆくのかといった問題を突き付けている。

 外国人介護士研修者の公用語を英語にしようというわけではない。研修後資格試験を英語で行えば如何だろうかというのである。並行して研修中に日本語教育も受けてもらい、日本語能力も試験する。 さらに翌年からの資格昇任試験も英語と日本語を併用したら如何だろうかというのである。 国家資格試験を日本語で行うなんてと目尻を吊り上げる人も多いだろうが、そもそも外国人を迎えるとは如何なることかから始まるのであろう。 見かけだけの門戸開放であれば、研修者の落胆がそのまま日本への失望感に変わるのだと何故気付かないのだろうか。

 小泉・竹中型(似非)規制緩和は論外だが、若年労働力が急速に減少してゆく日本が好むと好まざるとにかかわらず、流動化や国際化は避けられないことだろうし、それは様々な局面で、農村であろうと漁村であろうと世の中を変えてゆくことだろう。既に東京のファミレス、コンビニ、ファーストフードは外国人スタッフが当たり前になっている。麻雀を遊ぶ時に中国語、野球を楽しむ時に英語は普通のことなのだ。

・AIJ年金資金紛失問題は外部監査の義務化とその開示を求めようとしている。
 多額の資産運用を委任されている企業が、今まで外部監査を義務づけられていなかった方が不思議なことだと思う。 監査結果の開示も当然のことであろう。情報の開示は此処でも必然化してゆくのであろう。

・河村名古屋市長の不用意な南京事件発言の行方。
 経済の国際化に較べて政治の幼稚さを象徴的に表している。事件の当否以前に近隣付き合いのイロハというものがあるだろう。表敬訪問時に言うことではなかろうに。TPPではないが、TPOを心得ない人に国際都市のガバナーを務める資格はない。名古屋弁を日常語に話しても、海外交流のプロトコルだけは心得て下さい。

・愛知県並びに愛媛県は新公益法人の認定基準を満たしている旨の答申を受けました。
 団体会員士協会がどんどん新公益法人化してゆくのに、連合会はどうなるのだろうか。先行きが少し心配になる。まさかのことは起きないと思うけれど、想定外事態になることだけは避けたいものである。

・新スキーム改善問題に関わっていて一番感じることは、狭い範囲の利害得失にばかりこだわる視野の狭さである。視野が狭いだけでなく足元しか見ていない近視眼も気になる。 過去の成功体験に拘泥するばかりで、明日を見ようとしない後ろ向き加減がとても気になるのである。 セクト主義が蔓延り自らの所掌マターではないと嘯く人たちや、倫理ばかりに頼ろうとする人たちもとても気になる。今日に続く明日はやって来ると信じて疑わない能天気さも気になる。

 今日は昨日の展開であるが、同時に明日を反映するものでもあると教わっただろうに、忘れたのかしら。 そして我々鑑定士の向き合う不動産というものは人間の生活と活動の基盤であり、故にその有り様は社会の流動変化を反映するものだと云うのに。

 情報利活用の安全性担保と透明性確保とは、情報の開示と情報利活用コストの低廉化並びに平準化も招くことなのだと、何故思いを及ぼさないのであろうか不思議である。

 さあ、一眠りしてから旅に出よう。旅先の気温予想は23度という、一足先の春爛漫を楽しんできます。今帰仁グスクの緋寒桜はもう葉桜でしょうが。桜は散っていても、バラやハイビスカスやブーゲンビリアは迎えてくれるでしょう。
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by bouen | 2012-03-02 01:31 | 茫猿の吠える日々


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