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石油の呪縛と人類

 立ち寄った書店でふと取り上げた新書である。一気に読めるほど易しくはないが、その分学術性が高く示唆に富む内容である。21世紀半迄には確実に訪れるであろう石油枯渇時代をどのように迎えたらよいかを考えさせる書籍である。
書名:「石油の呪縛」と人類
著者:ソニア・シャー、岡崎玲子訳  集英社新書



 一億八千年前、ローラシア大陸とゴンドワナ大陸との間に位置する温暖で遠浅の海に堆積した有機物の層に源を発する石油は、この百年間にその消費量を最大にし確認埋蔵量のピークを迎えようとしている。

 人間の生活は石油無くして成り立たないが、同時に石油は人間に経済的搾取や資源をめぐる政略と紛争を引き起こし、地球規模の環境負荷も限界に近づいている。 また石油資源は無限でなく枯渇の可能性が予見されているというピークオイル説や多くの産油国に認められる生活水準の低下など一般に語られていない話題も多い。石油資源の現状、気候変動、代替新エネルギーの現状を丁寧に語る書籍である。もう一つ考えさせられたのは石油関連情報は高度な機密情報であり、米政府やメジャーなどによって厳しく管理されているということである。つまりマスコミに溢れる情報は鵜呑みにすると誘導される虞が高いと云うことである。

 そんな中でこんな情報がある。2006年夏に最高値78ドル/1バレルを記録した石油価格は現在では60ドル前後で安定している。この油価はこれ以上下がることはもうないというのである。つまりサウジアラビアの産油量がピークを迎えている兆候があり、2007年の全世界予想産油量は8550万バレル/1日であるに対して予想需要量は8600万バレルであり、さらに増加傾向に在る。
詳細な紹介は下記のブログに譲ります。

「石油の呪縛」と人類』|JanJan「今週の本棚」書庫
今週の本棚・『石油の呪縛と人類』を読んで

by bouen | 2007-03-02 09:10 | 茫猿の吠える日々


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