H19鑑定協会

 選挙中であるし年度替わりでもあることから、ラジカルな表現は慎んでいましたが、選挙も終わり新年度にも入ったことだから、僭越ながら鑑定協会次期執行部へお願いをを申し述べることとする。



 次期執行部・神戸クァルテットは、「会長」神戸現地価調査委員長(現東京会会長)、「副会長」増田現新スキーム委員長(現副会長)、緒方現副会長・総務委員長(次期東京会会長)、小川現常務理事(現地価調査副委員長・現中部連絡会議長)から構成されるのである。
 協会定款上は他にも会長指名副会長が二名誕生する可能性があるがそれはさておき、この次期執行部・神戸クァルテットは役員経験豊富なベテランクァルテットである。しかも鑑定業界が唯今直面している問題に精通しているベテランでもある。同時に企画力、統率力、指導力、そして突破力とカリスマ性に満ち溢れた方々と、日頃から尊敬申し上げている皆様でもある。

 証券化鑑定対応問題、鑑定評価とデューデリジェンス問題、鑑定基準改正問題、新スキーム全国展開問題、地価公示オンライン化問題、鑑定士協会ネットワーク構築問題、さらにいよいよ待ったなしになりつつある協会会費値上げ等財政問題、他にも情報漏洩・ER関連不当鑑定・背任鑑定等コンプライアンス問題等々、山積する様々な課題に精通している方々なのである。

 まだ船出もしていない次期執行部に山積課題を数え上げるのも失礼かもしれないが、二年に一度の役員選挙の季節は約半年間に亘って鑑定協会は思考停止状態に陥るのが通弊である。しかし今回は事実上無風選挙であり、現副会長等重職役員が円満に引き継いで次期を担うものである。だから六月中旬に予定される定例総会を前にして次期事業計画案や次期予算案編成に際して「迅速さと的確明瞭さ」をお願いし、同時に期待することを申し上げておこうと考えるのである。

 ところで、先に数え上げた山積課題の多くに影響するであろうと考えられる幾つかの新組織組成が最近の役員会で決議されている。これらの新組織がH19年度に果たす役割は大変重要と考えるのである。

「その1・情報通信技術特別委員会の設置」
 昨年末の新スキーム小委員会報告で仮称ICT委員会の設置提案をお伝えしましたが、多分その仮称ICT委員会が日本語直訳されたものでしょう。ICT= Information and Communication Technologyですから間違いではないが、何となく舌をかみそうな野暮ったいネーミングである。
 協会サイト広報によれば、「平成19年1月23日開催の理事会で「情報通信技術特別委員会の設置」が承認されました。新スキームの全国化を踏まえ、電子ネットワークの活用による業務の円滑かつ適正な実施に資するため、定款第31条の規定に基づき標題特別委員会を設置すること及び同特別委員会規程を制定することを承認」とあります。

「その2・コンプライアンス委員会の設置」
 APPRAISAL OPINIONによれば、平成19年2月21日開催の鑑定協会正副会長会議において「コンプライアンス委員会の設置」が決定されたとのことです。「地価公示制度だけでなく、相続税、固定資産税に係る一連の評価業務や新スキームによる取引価格情報公開制度なども含め、コンプライアンス委員会を常設し、中長期的な対応も含めて対応することを決定し、次回常務理事会(3月6日)に設置提案がされることになりました。」とのことである。常務理事会以後の経過は不詳であるが、多分というより現惨状をみれば、国交省等霞ヶ関対策&社会への姿勢としても設置しなければならないであろうものである。
 話が逸れるが、鑑定協会広報サイト・理事会委員会報告に「正副会長会・常務理事会」報告が無い。広報すべきモノではないとの考えであろうが、全てを開示しろと云うのではない。必要に応じて開催日時と決定事項くらいは開示すべきと思われるが如何なものであろうか?!

「その3・証券化・ER等関連」
 既に設置済みで活動中委員会に、「証券化関連鑑定評価の水準向上及び適正化確保に関する特別委員会 」と「鑑定評価とデューデリジェンスに関する特別委員会」がある。改正鑑定基準の七月施行を前にして研修会も開催中であるし、このBlogでも特集中の「国土交通省施策・地方における不動産証券化市場活性化事業」への対応もある。

 以上の新三組織はプロジェクトチーム或いはタスクフォースとして機能するモノであろうが、実は常設委員会との重複や重層化も運営方法如何によっては懸念されるのである。例えば地価調査委員会(地価公示・新スキーム所管)、企画委員会(本来はコンプライアンス所管であろう)、資料委員会、法務委員会、業務推進委員会等々が職責を分かち合って対処しておれば屋上屋的に組織作りに精を出すこともなかろうと考えるのである。
 最も懸念されるのは組織を作って事足れりと、安心し休眠することである。証券化関連委員会等の精力的な活動をみれば失礼な云い方なのかもしれないが、資料委員会や業務推進委員会などの活動が見えてこないのである。鄙の茫猿が何の寝言をほざいているかとお怒りであれば、しかるべく広報もして頂きたいのである。

 何を申したいのかといえば、これも三百代言であろうが、鑑定協会は財政問題で苦慮しているように人的にも資金的にも零細弱小組織である。だから限られた人的資源と財政力を有効に優先傾斜配分して頂きたいのである。こんな話がある。委員会を拡充し開催日数を増やしたいが旅費予算に余裕が無いというのである。十分に理解できる話である、だからといって多くの委員が東京や東京周辺に集中してよい訳がない。
 コンプライアンス問題も新スキーム問題もネットワーク構築問題も地方証券化支援問題も鑑定協会一丸となって対処しなければならない問題だし、二十代三十代四十代の次代を担う鑑定士にとっては関心の高い切実な問題であろうと「2ちゃんならば爺鑑扱いされるだろう茫猿」は思うのである。無関心無感動無気力を装おう彼等彼女等ではあるが内心は違うであろう、ただ表現する機会や手段を得ていないだけであろう。親切に手を差し伸べるのが上策かどうかは一抹の疑問が残るが、上記三新組織に新進気鋭の若手委員を配し、委員長等リーダーには行動力・企画力・統率力のあるベテランを配して頂きたいと願うのである。

 さらに、次の提案も申し上げる。
1.事業計画案にはスケジュールを明記すること。
 特別委員会は本来的にタスクフォースである。期間限定組織であり賞味期限が切れたら解散すべきである。だからこそ、予算と人員を配し権限を与えるとともに存続期間等日程を明示すべきである。
2.公開性を維持する。
 ICTもComplianceも地方不動産証券化支援も、日々刻々に変化していると同時に、日々刻々の状況を会員に広報し周知すべき性質を有しているものである。だから、確定議事録の策定を待って審議経過を開示するのでなく、予定議案、審議経過概要、議事録案を順次公開することにより周知行為と衆知収集に対応すべきである。
 極論を云えば、会員専用HPとメールマガジンを利用して周知広報を行い、せめて週に一回程度は協会HPにアクセスすることを会員義務とすべきである。別の表現をすれば鑑定協会並びに所管委員会は須く開示・広報しているのであるから、無知非知とすればそれは会員自身の責任であり鑑定協会の与り知らないことと宣言すべきである。

 以上、鄙の茫猿にもかかわりませず鑑定協会の枢要な地位にあられるお歴々に、入れ歯に衣着せぬ申し様を致しました。老爺鑑の世迷い言と、ご寛恕願わしゅう存じます。
 さはさりながら失礼非礼を省みず、神戸様、増田様、緒方様、小川様にもう一度申し上げます。二年の任期を全うしようと考えないで下さい。いずれの課題も此の一年、いいえ此の半年が勝負だと思います。この半年間に具体的な姿を見せないと斯界を取り巻く社会は我々を見放すかもしれません。


 神戸丸の船出を前にして突如勃発した「生駒背任鑑定事件」は、とても不幸不吉でした。でも災いを転じて吉にし求心力を高めるには、よい機会だったのかもしれません。皆様のご健康とご活躍を鄙より祈念申し上げて、真に不遜僭越ながら餞(ハナムケ)のBlogとさせて頂きます。

『見えるものよりも見えないものを大切にして頂きたいと願います。未だ見えぬ次代の鑑定士のために、エスタブリッシュメントの矜持や、ノーブレス・オブリージュの誇りを大事に、リベラルアーツの研鑽にも意を配る。』  そんな運営を期待申し上げます。

『失意泰然、得意淡然』 とも申します。 多事多難の折から益々ご自愛下さい。

     2007-04-16 05:55:31 鄙の茅屋にて 茫猿 頓首九拝 

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by bouen | 2007-04-16 15:59 | 不動産鑑定


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