国土数値情報

 国交省サイトに土地総合情報ライブラリーというカテゴリーがあります。01-地価関連、02-土地利用関連など、不動産関連の仕事をしていれば多面的に利用されていると思いますが、なかで国土数値情報ダウロードサービスというカテゴリーがあります。この情報の有効利用を考えてみたいと思います。



 『鄙からの発信』最近のエントリー:戦略と戦術:その1からその3で、MAPシステム、GIS、GPS利用という表現をしていますが、「国土数値情報ダウロードサービス」を如何に有効に利用するか、我々鑑定業界が共有している地価情報や取引情報をこの国土数値情報と効果的にリンクさせることにより、さらに精度が高く利用効率が高い地価情報を提供してゆくことができないかと考えることが今や重要なのではないでしょうか。
 利用価値が高いであろうという、せっかくの国土数値情報も効果的に利用する術がなかったのが、今日までの我々鑑定業界だたのではないでしょうか。それらにどのような利用方法があるのか、利用したらどのような付加価値情報が得られるのか様々な実験が可能な状況になったのではと考えています。

 国土数値情報ですから、当然のこととして地図システムやGISが手軽に利用できる環境が必要だし、個人的に利用するのは利用者の能力や環境整備が不可欠ですが、零細鑑定業者には高嶺の花だったのが今日までの我々鑑定士の環境でした。しかし時代という回り舞台は大きく展開して、WEB環境進化やネットワーク構築という新しい環境のもとで、こういった上位ツールを手軽に利用できる環境に到達しつつあると云えるのではないでしょうか。

 茫猿が申していることは、的外れなのかもしれません。的に近いのかもしれません。私には判りませんし、実験をする資金的・知的能力も持っていません。ですが、皆で協力すれば実験が可能であろうし、思いもよらない利用方法や利用効果が得られるかもしれません。先ずは実験や試験を行うことです。扉を叩かなければ扉は開きませんし、何ものも求めなければ得られません。
 私たち鑑定士や士協会が保有している(利用可能な)地価情報や不動産情報の価値は、我々自身が一番知らないのかもしれません。社会が我々に求めているのは不動産価格情報だけでは無いはずであり、市民が保有し利用している個別不動産に係わる様々な付加情報であり、それら付加情報の個々の市民のための個別的・個性的な解釈・解析ではないでしょうか。そして、その延長線上に顧客が求めるものが存在すると考えるのですが如何なものでしょうか。

 我々鑑定士自身が国土数値情報の効果的利用を知らない、いいえ自ら主体的に利用したことがない以上に、市民は利用したことが無いし利用できる環境にありません。だからこそ不動産専門家たる鑑定士の出番なのではないでしょうか、市民のニーズを探り市民の求めるものを提供してゆくことこそが我々鑑定士の次の使命なのではないでしょうか。今、茫猿はこのように考えています。
 『戦略目標A(より的確な地価公示価格)の実現が、戦略目標B(より的確な鑑定評価)につながり、さらに戦略目標C(新しいビジネスモデル構築)の実現につながれば意味あることであり、その為の先行投資もある種の損切りも無駄とはならないと考えるのである。』ということの意味は、ここにあります。
鑑定士一人一人が、日々の不動産価格調査業務に追われているだけでなく、共同し協働して新しい明日のステージを目指すことに目覚める時だと考えるのですが、皆様はどのように思われましょうか。

 この際に忘れてはいけないことは、「国土数値情報」は国交省という行政主体がその責任において提供する数値情報だと云うことです。往々にして、精度が?・・・とか、利用効果が?・・・という意見を耳にします。例えば地価公示標準地や地価調査標準地の位置情報は必ずしもピンポイントで正確ではないという意見があります。しかし、国土数値情報ダウンロードサービスを利用して「WEB地価公示・地価調査マップ」を提供する際に多少、位置がずれたとしてもそれゆえに価値が減じるものではなく、さらに精度が高くなるまでの過程にしか過ぎず、現時点における提供情報の精度を認識し必要の程度に応じてその利用方法を示してゆけばよいと考えます。精度100%をいつもいつも追い求めることは費用対効果の観点からも、情報提供者責任の負担という観点からも違うのではなかろうかと考えますが、如何でしょうか。

 新スキーム・土地取引価格情報提供制度開始やREA-NET構築事業開始というニュー・ステージに立った鑑定協会や鑑定士協会は、ニュー・ステージにふさわしい立脚点が求められると考えますし、新スキームにおける「地価公示スキームによる事例調査」という役務提供に見合う見返りを求めてゆくべきであろうと考えます。「ONE for ALL ALL for ONE」を再認識する機会であろうし、共同利活用や社会還元、なかでも取引価格情報提供制度にご協力頂いて取引情報を提供して下さった市民への情報還元を意識することになるのだと考えます。時あたかも公益法人制度改革施行が目前に迫っています。日本不動産鑑定協会も都道府県鑑定士協会も、地価公示や地価調査受託組織だけでなく新しい役割や組織存在意義を再構築すべき時期にあると考えるのです。

 地価公示業務を通じて、地価調査業務を通じて、固定資産土地評価業務を通じて、様々で膨大な資料を得ているし利用可能な環境にあるのだから、これらを見逃すことはまことにモッタイナイと考えるのです。不動産の証券化や、モニタリング制度や、デューデリジェンスなど喫緊の課題が多いことは承知してますが、悉皆調査(土地センサス)とネットワーク構築からニュー・ステージに至る過程も鑑定評価のファンダメンタル構築として重要であろうと考えます。

 そんな回りくどい云い方や考え方でなくとも単純に、公益法人改革が施行される08/12を目処に「社団法人『鄙からの発信』協会」を設立して「マネタイズ地価情報をメイン事業とする」ことが十分可能と考えるのです。其処には何も鑑定士など居なくとも、鑑定士級の専門家が存在すればいいのです。なまじっかな「鑑定士先生」の存在は有害無益なのかもしれません。茫猿はCGMとかweb2.0とかによる地価情報&マネタイズを目標とする「(仮称)社団法人『鄙からの発信』協会」設立を真剣に考え始めています。 それが十年前のマニフェストを今様に実現することなのだと思いはじめています。

 神戸冨吉様 (鑑定協会会長)、増田修造様 (鑑定協会副会長)、緒方瑞穂様 (鑑定協会副会長)、小川隆文様 (鑑定協会副会長)、内田信行様 (鑑定協会副会長)、新藤延昭様 (鑑定協会副会長)他、鑑定協会執行部の方々はいかがお考えでしょうか。

 匿名子様、てーて様、如何なものでしょうか。
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by bouen | 2007-10-08 10:50 | 不動産鑑定


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