パラダイス鎖国

 先日のエントリーでiNet注文した書籍について記事にしたうちの何冊かが届いたのだが、読んでいる暇がない。そんななかで帯の惹句に促されたのが標題の新書である。



パラダイス鎖国』忘れられた大国・日本:海部美知著:アスキー新書 

 この本の帯の何に惹かれたかといえば、あの梅田望夫氏と池田信夫氏が並んで献辞を書いているのである。二人が論争したという話は知らないが、池田氏がかねてより梅田氏に辛口の批評をしているのは周知である。例えばベストセラー「ウエブ進化論」については、このような論評をしている。
池田信夫blog 「ウエブ進化論」 2006-02-14  より抜粋

 梅田望夫『ウェブ進化論』が、ベストセラーになっている。アマゾンでは、あの『国家の品格』を抜いて、総合で5位だ。私もきょう買って読んだが、はっきりいって電車のなかで気楽に読めるのが唯一のとりえである。

「本当の大変化はこれから始まる」と銘打っているが、その中身はといえば「インターネット」「チープ革命(ムーアの法則)」「オープンソース」の三大法則だという。こんな話を今ごろ聞いて、感心する読者がいるのだろうか。グーグルがすごい、としきりに書いてあるが、出てくるのは「アドセンス」などのよく知られた話ばかり。その根拠として持ち出してくる"Web2.0"の意味もよくわからない。


 池田信夫氏の帯献辞
 日本を荒んだ格差社会だと嘆く人が多いが、海部さんは世界一住みやすいパラダイスだという。しかしこのパラダイスが罠なのだ。(中略) ここには、シリコンバレーからのイノベーションとは何かというメッセージがある。
 梅田望夫氏の帯献辞
 彼女を形容するとき、ソリッドという言葉がまず心に浮かぶ。そんな彼女の思いでの中の風景が「パラダイス鎖国」論を展開するなかで随所に顔をのぞかせているところが、本書の大きな魅力となっている。

 世界的に見れば、米国や欧州よりも恵まれ豊かであるのに、存在感を失った日本を著者はパラダイス鎖国と名付けるのである。今の状況を「ぬるま湯」と表現し、そこから出ようとしない日本と日本人を鎖国と表現するのである。そして「軽やかなグローバル化:開国」を提唱している。
 詳しくは海部氏のサイトや著書から知ればよいのである。しかし、疑問が残るのである。梅田氏のWeb論でも感じることであるのだが、一握りの秀才はいいけれど我々凡才は梅田氏の説く「けもの道」もゆけないし、海部氏の説く「軽やかなグローバル化」にも縁が遠いのである。凡才はどうしたらよいのだろうか。

 海部氏のBlog 「Tech Mom from Silicon Valley

 このことについて、横浜逍遙亭の中山氏は、ある日のBlogにこのように書いている。「できる子は梅田さんにまかせておけばいいとして、そうじゃない子をどうするかが問題だ」 そこなんだよ、そこで凡才ははたと行き惑うのである。
[PR]
by bouen | 2008-03-13 10:14 | 只管打座の日々


<< 悉皆調査とREA-NET 考えてみれば >>