非司法競売手続導入Ⅲ

 あくまで伝聞に過ぎず未確認情報ではあるが、「自由民主党司法制度調査会・明るい競売PT」は一つの結論に至るようである。今回も鑑定協会はToo Late&Too Fuzzy に終わったようだ。



 自由民主党司法制度調査会・明るい競売PT」は「非司法競売手続導入」に関して、法務省民事局・競売制度研究会が示す『新B案』で結論をとりまとめる方向と伝聞する。鑑定協会が競売評価問題に関して当事者・ステークホルダーの地位を得るまたとない機会を失った模様である。

新B案」の評価に関連する部分骨子
(中略)
3 しかしながら、さらに簡素な担保不動産換価手続があればよいと思われる事例は皆無ではない。
それは、いわゆる任意売却崩れの場合である。抵当権者の納得できる適正金額による購入希望者がおり、所有者がそれに同意しているにもかかわらず、後順位抵当権者の不合理な抵抗によって任意売却が実現させられずに競売申立に至るケースでは、現行制度の慎重な手続がかえって加重なものに感じられる例を時折経験する。
また、所有者が任意売却に必ずしも協力的でない場合であっても、抵当権者の納得できる適正金額による購入希望者が存在し公開競争入札に頼る必要性が感じられない場合には、所有者等に対する適正手続の保障と引き換えに、簡易な換価手続を置くことが考えられる。

4 そこで当案は、かかる簡素化された手続が望まれるケースを念頭に、抵当権の簡易実行手続を提案するものである。

① 公開競争入札(客観的調査により得られた物件情報の公開(3点セット)及び下限規制を前提とする。以下、公開競争入札において同じ。)

※ただし、ここでいう3点セットは司法競売手続きにいう3点セットと必ずしも同意義ではなさそうである。そもそもB案は3点セットの廃止を前提にしているものである。
第3 B案の内容説明
1 特約と登記、実行手続の選択制
(1) 抵当権者と抵当権設定者の間の特約とする。
(2) 上記特約は抵当権設定登記中に登記されることを効力要件とする。
(3) 後発的な特約は、後順位利害関係人全員の承諾を得て附記登記とする(主登記の形は認めない。―複雑になるので。)
(4) 上記特約をした抵当権者は、現行の裁判所による競売手続(司法競売)と非司法競売とを選択して利用することができる。

 注意深く読めば読者はお判りになるであろうが、この新B案は部分的導入でも一部導入でもない。新B案の実行には「抵当権者と抵当権設定者の間の特約」が前提条件となるのであるが、抵当権者が特約を付加しない金銭貸借契約などおよそ有り得ないと考えるべきであるし、抵当権設定者が特約付加に抵抗することも有り得ないと考えるべきである。
 つまり、抵当権者は任意売却可能な物件は非司法競売手続を選択し、購入希望者が現れない物件については司法競売手続を選択するであろうと予測されるのである。グローバル化や改革を提唱する「新自由主義者」の思惑通りとなったといえよう。

非司法競売手続導入Ⅰ
非司法競売手続導入Ⅱ
[PR]
by bouen | 2008-05-31 20:20 | 不動産鑑定


<< 塾・鄙からの発信 Ⅳ 著作権侵害? >>