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REA-NETの現状

 メールアンケートの結果報告が随分遅れました。 最近はご承知の事情で、気にはなっていたのですが手が付けられず、報告が今日になりました。



 アンケートメールの発送件数は約60件、迷子メールになったり、明らかに地域が重複しているものをカウントし直したりすると、回収有効回答は八件でした。地元・岐阜会の状況を加えれば集計件数は9士協会となります。

「ご照会事項」と、ご回答は次の通です。

1.貴地では、REA-NETを事例閲覧以外に利用しているか?
  a.事例閲覧のみに利用されている。 【1士協会】
  b.その他の情報交換、情報配付・伝達にも利用されている。 【4士協会】
  c.何も稼働していない。事例は事務局閲覧のみである。 【4士協会】

2.貴地でのREA-NET事例閲覧の状況は如何でしょうか?
 a.地価公示及び地価調査事例のみ閲覧に供する。【1士協会】
 b.三次データ(新スキーム確定データ)も閲覧させる。【3士協会】
 c.REA-NET事例閲覧は実施していない。【5士協会】

3.三次データ(新スキーム確定データ)を閲覧させている範囲は?
 a.地価公示評価員のみ(有料 または 無料)。【3士協会】
 b.一般会員も閲覧させている。(有料 または 無料)。【0士協会】
 c.三次データは開示されていない。【6士協会】

 予想どおりの、低調な稼働結果でした。三次データのオンライン利用も進んでいないようです。 特徴的なのは、公示分科会構成が単一の県では、「オンラインネットなど不要であり、分科会開催の都度、人数分の資料複写物を交換配付している。」という回答が複数存在することである。事例コピー交換配付後のトレーサビリテイ確保に不安が残るものの、現状で不自由を感じていなければ、それはそれでやむを得ないと云うことであろうか。 (資料管理の安全性担保や、検索・ソートの利便性、保管場所の確保などを考えれば、オンライン閲覧が優ると思うのであるが、ハードコピー利用にも離れがたいものがあるのだろうと思われる。)

 08/06/27付、鑑定協会の一つの文書に、「REA-NETに登録されている道府県(北海道、埼玉県、神奈川県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、大阪府、広島県及び山口県)にあっては、REA-NETのREA-Dataのデータ授受機能を活用し」とあるが、47都道府県士協会中12士協会が稼働するに留まっているし、その稼働内容も制限的なのである。

 もう一つ不安を感じるのは、一部都市圏士協会においては、新スキームサーバで所属分科会データに限定して閲覧可とするエリアが存在することである。このエリアについて、メールアンケートではなく電話取材をすると、「分科会内のデータは新スキームサーバで閲覧が可能だから、必要に応じて他の分科会所属・知人会員にデータ交換を依頼しているという回答があったことである。

 いわば、水面下のデータ交換が行われていると云うことであり、これもトレーサビリテイ確保という観点からみれば、首を傾げざるを得ないのである。それぞれの単位会の運営方針であるから第三者がとやかく云うことは避けるべきであるが、疑問を残すものである。

 実は、今回のアンケートを思い立ったのは、前述の水面下データ交換の話を小耳に挟んだからである。「必要は発明の母」とは云うものの、本来、利用して頂きたい安全なツールが稼働可能しているのに利用しないと云うのは、「安全管理措置充足とか担保」という観点からすれば早期に是正願いたいことではある。

 6/17協会総会の折りに、某都道府県士協会長さんから、面白い話を伺った。「私はREA-NETには賛成できなかった。 事例がどんどん流出する不安が拭いきれなかったからです。それでもデモをお願いして、会員の理解を得た上で、稼働を決めたら、実に地価公示や地価調査の運営が便利かつ楽になった。 事例閲覧も近く全面オンライン化を目指している。」ということである。
 さらに「オフライン交換で事故れば自己責任、REA-NETで事故れば、個人の事故に基因するものを除いて、原則、鑑定協会責任である。責任の負担を考えれば、REA-NETを使わない手はない。」と云われるのである。 いわば、百聞は一見に如かずということなのであろう。

「追伸」 末尾ながら、アンケートにご協力頂いた各位には、本エントリーからお礼申し上げます。
また、先のエントリーでふれた地価調査の縮減傾向については、機会を見付けて協会事務局に取材してみます。
by bouen | 2008-06-29 11:03 | REA-NET構築


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