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プリンシプル

 昨夜のNHKハイビジョン特集「幕末 知られざる決断 尾張藩主・徳川慶勝」を見ながら、プリンシプルについて考えていた。 《慶勝については「高須、尾張、会津」 (2008年3月 5日) 記事あり。 》

 プリンシプル(principle)とは「揺るがない原則、あるいは筋、矜持」と解してよいであろう。 いわば、右往左往しないことであり、自らの処世観、人生哲学と解してもよかろう。
 総選挙投票日が近くなったが、各党代表者の主張にプリンシプルが見えてこない。 麻生自民党総裁の「経済再建は、企業優先か家計優先か」、「政権選択でなく政策選択」、鳩山民主党代表の「友愛政治」、小沢民主党代表代行の「普通の国家」にしても、キャッチフレーズとして言わんとするところはおぼろに判るが、プリンシプルが見えてこない。 戦術論的言辞が多くて、戦略論的テーマが見えないのである。 「親米嫌中or親中嫌米」、「ネオリベorネオソシアル」皆同じであろう。



 先号記事「今朝の日記」後半に憲法前文を引用したのだが、今の日本の選択肢は憲法前文にあると茫猿は考えている。
・日本国民は恒久の平和を念願し、
・諸国民の公正と信義に信頼し、
・平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しよう、
・世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、
・平和のうちに生存する権利を有する。
 一国平和主義ではなく、
・自国のことのみに専念して他国を無視してはならない、
・自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする。

 総ての施策は、このプリンシプルに照らして考えてみて、妥当か相当か叶うかを考えればよいのであり、直ちに叶わないとしても、叶うべく努力すればよいのであり、その努力の行程表を明らかにすればよいと考える。

 今回の選挙は民主党の勝ちすぎに懸念が生じる状況になったが、懸念する者は他の野党に票を投じればよいのであろうし、民主党の政権担当能力に懸念する者もいるだろうが、自公政権が勝ったとしても参議院が劣勢である状況に変化はないのだから、今の混迷政権が継続するに過ぎないのである。 民主党に不安がぬぐいきれないとしても、一度は交替を実現させるべきであろう。 ヤラセテミル、あるいは育てるという度量の有無が、国民に試されている選挙とも言えるであろう。

 官僚批判の声ばかりが大きいが、霞ヶ関官僚のなかも多様であろうから、非自公派官僚も少なからず存在するであろう。 問題はそれら霞ヶ関非主流派にも政策提言あるいは実行の機会を与えてあげることであろう。 それは霞ヶ関にも緊張感を生むであろうし、ひいては霞ヶ関の中立性を復活させることにもつながろうと考える。

 様々な選択肢を霞ヶ関が提案し、政治がそれを選択し、霞ヶ関が実行してゆく、時には政治が提案し霞ヶ関が肉付けして実行してゆく、そんな状況が生まれることに期待したい。
 気づいたら、日本の最大貿易相手国は今や中国である。 中国、韓国、台湾、東南アジア、西ロシアとの交易なくして存在し得ないほどの状況になっているのが今の日本である。 米国主導のグローバリズムの陥穽に陥ることなく、「自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする。」という姿勢、プリンシプルが今こそ必要なときでないかと考えている。
by bouen | 2009-08-24 10:18 | 茫猿の吠える日々


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