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旧盆の止揚学園

 お盆のさなかに設定された会議を終えて、事務所に戻ったところである。昨日今日明日(8/13~8/15)は町中も静かだし車の通行量も少ない。昨日はふと思い立って止揚学園に差し入れをお届けに行ってきた。



 今は止揚学園も夏休み中である。園生の多くは実家に帰省しているし、職員の何名かも実家に帰ったり旅行をしたりしている。ただ、園生の高年齢化は必然的に彼等の実家の両親も高齢化している、なかには単身世帯化したり二人ともお亡くなりになる例もある。子供の内なら食事も入浴も一人で面倒をみれるが、成人ともなれば一人では食事の介護もままならない。体質的に生来虚弱傾向が強い園生の何人かは既に車椅子生活を送る人もいる。
 車椅子から食卓の椅子へ移動するだけでも最低二人の手が必要である。入浴にはもっと手が欲しいだろう。だから、いまや実家に迎えて我が儘を聞いてやりたい世話をみてやりたいという親心だけでは何ともならない家庭が増えているのである。そんな事情がある園生は他の在園生が帰郷する夏休みも学園に残っているから、ささやかな差し入れをもって賑やかしにお邪魔したのである。

 お茶を飲みながら職員の方と世間話をし、昼食を皆さんと一緒にいただき、唄をうたい手を叩いて半日を過ごしたのである。昼食後は園生の入浴時間なので、一緒に汗を流しませんかと誘われたけれど、さすがにそれはご辞退申し上げた。その替わりにずいぶん前の学園運動会のビデオを鑑賞して午後を過ごしたのである。

「そんななかでの話題の一つ」
 福井達雨先生は、マンネリを嫌われる。前例踏襲主義を嫌われるのである、日々新しくを歓ばれる。だから、毎日々々新たなお客を迎えることをとても喜ばれる。日々是新た哉なのである。この訪問者を歓迎するということはとても大事なことである。時には面倒だし邪魔くさいし、見せたくないものも見せなければならない。だけれど、だからこそ訪問者が大切なのである。マンネリに陥りがちな職員にとって、職員がマンネリ化すればそのしわ寄せを全て被る園生にとって、マンネリを打ち破る一番簡単な手だては日々新たな訪問者の登場なのである。

 何も資金カンパを持参しろと云うのではない。手土産を持参しろと云うのでもない。ただ訪れて、園生と唄い踊りお茶をいただく、それでいいし、それが尊いのである。何よりも訪問者にとって園生と唄い握手をすることが、園生から背中を叩かれたり話しかけられたり(大概の場合、意味不明だけれど)することにより、彼等彼女等から迎えられているという実感が大切なのである。
 人一倍感受性の鋭い園生は、時に手荒い歓迎もする。私が肩にかけている鞄を床に放り出したりもする、そんなときは意味が判らず対応の方法も判らずただ戸惑うだけである。でもそんな彼がお茶のあとでは握手を求めてニッコリと手を差し出してくれるのである。当然のことだが手土産やカンパが喜ばれるのは云うまでもない。なを、園生は資金カンパは喜ばない、というより無視である。そのかわり、かれらに判りやすい手土産はとても歓迎される。

「アァー、彼に受け入れられた」と、ほっとし和やかになる。すると廻りの他の園生も和やかなまなざしをくれるのである。いつお邪魔しても温かく笑顔で迎えていただける学園である。イベントの時は手順も決まっているし訪問者の居る場所も用意されている。でもそんな時はお客様なのである、決して仲間扱いはしてもらえない。何より園生自身がイベントで緊張し興奮しているからこちらに関心を払う余裕がない。だけれど、日常では客は少数派である。昨日などは私独りがヨソ者であり、あとはすべて止揚学園の仲間達である。だから食事が終わる頃に握手して貰えることがとても幸せなのである。

 在籍する園生の世話だけでも大変なのに、お客様の世話などとてもとてもという考え方がある。洗濯やら掃除やらのお手伝いもよろしかろうが、茫猿などは邪魔にならないようにブラブラゴロゴロしてるだけである。たまに写真を撮ったり話し相手(多分通じていない)になったりしていればよいのである。つまり、こちらが彼等のなかにいてホノボノとする、それがすべてである。
こういう考え方もある。職員にとっては、違う世界、例えば茫猿は不動産鑑定の世界にいる。こうやって学園関係の記事や写真でブログを更新してもいる。こういった非日常に接することが職員の皆さんにとってもマンネリ打破につながるのである。【これは茫猿の感想ではなく、園の光子先生や阿部先生のお話である。】
 別の表現をすれば、学園と学園を取り巻く社会(その一部である茫猿)との接点は多ければ多いほど互いにとって佳いのであり歓迎されることなのである。学園など施設が社会に背中を向けても良くないし、社会が学園などに無関心であってはならないのである。

 ところで昨日は、この夏の暑さのせいか福井達雨先生も面條先生もお疲れでご静養中でありお目にかかれなかった。早くお元気を回復されるよう『鄙からの発信』からもお祈り申し上げます。
by bouen | 2007-08-14 09:51 | 止揚学園の人々


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