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車遍歴

 車の免許を取ったのが二十一歳の四月(1965/04/28)だったから、もう車遍歴43年になる。途中、いわゆるマイカーを保有しない空白時期が三年ほどあったが、社用車や友人の車を運転していたから、全くの運転空白期間は無いに等しい。



 最初に乗ったのが「柿の種のブルーバード」である。排気量などは忘れたが、車体色グリーン、ハンドルシフト、ベンチシートの三角窓も懐かしい車である。アルバイトの給料代わりというかアルバイト先の事情で専用車として与えて貰った最初の車は当然何年か落ちの中古車だった。 その後の空白期間を経て、鑑定士を志して帰郷した時に、大卒初任給の1/3ほどという薄給ゆえに師匠の運転手代わりを務めていた私を見かねた親が、通勤や現場調査の足代わりにと買ってくれたのが、これも数年落ちエンジ色のカローラだった。雪道でスリップして道路縁石に乗り上げ廃車にしたのを記憶している。

 師匠の運転手代わりというのは、朝は十キロほど先の師匠宅に迎えに行き、名古屋の師匠の事務所まで同行し、帰りは師匠を送ってから自宅に戻るという毎日のことである。当然のこと休日は、先に私の家に廻りそこから師匠は自宅に帰ってゆくという毎日である。 アフターファイブに支障の予定がある時は、事務所で受験勉強をしながら師匠の用が終わったという電話連絡を待っていて、師匠を出先に迎えに行き帰路につくという訳である。口さがない隣人から「息子さんは誰かさんの運転手をしているの?」と聞かれたのが、親のプライドを傷つけたようで即刻、車を買えとなったのである。今頃の親が、車を買ってやるから帰郷してくれというのとは、時代背景が違うのである。 余談だが、このしばらくの運転手時代の「師匠はクラウンの後部座席に座る」という経験があったから、その後アシスタントやインターン生がハンドルを握ってくれる時も後部座席には座らず、助手席に座るようにしていた。ついにクラウンに乗ることが無かったのも、そのせいかもしれない。

 ところで、驚いたのが46年前の車の写真である。そんなもの何処にもないだろうと思ったけれど、ヒョッとしてとiNet検索をかけたら、サクサクと出てきた。恐るべしインターネットである。もっと驚いたのが、写真のブルーバード柿の種は初代のブルーバード(排気量1200cc)で、ネットオークション市場販売価格が198万円という。当然、走行可能なナンバー付き実車である。


 次いで、色は違うけれど、帰郷して乗っていたのと同形式のカローラである。ネット情報によれば排気量1100ccという。


 その次は二、三年落ちの黄色いケンメリだったか箱スカだったかのスカイライン(多分1500cc)、鑑定士になって初めて新車を購入したのが、当時の市場を席捲していた日産ローレルである。ローレルにはたしか二台ほど乗ったが、事務所の代表者になってから乗ったのが日産セドリックである。2000cc車はこの時からである。

 以後、セドリックからトヨタのセリカXX(ハッチバックスタイル・点灯すると格納ライトがアップするスポーテイ車)、ソアラなどトヨタ車にしばらく浮気した後は、また日産シーマ(3000cc)に乗り、一時はプジョー〈仏車〉にも乗っていた。ソアラの時は身長が伸びてきた息子達が後部座席では頭が支えるし陽射しも暑いと不評で、家族で出かける時は兄弟で助手席の取り合いだったのも想い出である。

 この写真はアルバムの日付からすると84/08とある。サンルーフから身を乗り出しているのは腕白盛りの息子達である。ナンバーにご注目頂きたい。今も昔も茫猿は苦労人(962)なのである。

 プジョー605は排気量3000cc、右ハンドルなのだが左ハンドルを右に付け替えただけだから、ウインカーレバーとワイパーレバーが左右逆であり、少し慌てると晴天にもかかわらずウインカーを廻していたりした。


 最近はもっぱらホンダ車である。当時は三年又は十万キロで乗り換えと決めていたから、プジョーが三年近くになった時に普通では下取り価格が安かろうと、ホンダディーラーのオーナーが後輩としてロータリークラブに入会してきたから、彼に恩着せがましく発売されたばかりのレジェンドを注文したのである。


 ホンダ・レジェンドは「伝説」という名のとおり、扱いやすい車だった。FF車だから、雪道に強く、雪は降るものの積もることは稀な岐阜県西濃地方南部では、多少の積雪など何ということもないFF車(前輪駆動車)は心強かった。今はホンダ・インスパイア(3000cc)に乗っている。
 しかし、この頃は寄る年波でフルサイズカーの取り回しが面倒になってきた。特に新スキーム事例調査で集落のなかを走ったりすると、角々で切り返しを繰り返すハメになる。先日もブロック塀で左後方を少し擦ったりしている。


 そこで、八月が車検なのを潮に、このガソリン高、世はエコ一色なのを得手にしてホンダ・シビック・ハイブリッドをオーダーしたのである。ところが、六月初旬にオーダーして、代金も振り込んだにもかかわらず、納車は七月末だという。売れているのか、生産台数が少ないのか、国内新車市場は全般に売れ行き不振だというけれど、ディーラーの鼻息は結構荒いので値引きも格好付け程度だった。第一、試乗はおろか実車も見ていない、カタログだけの不見転買い(ミズテンガイ)なのである。ランクルやビッグホーンにも乗りたかったし、フェアレディゼットやスカGにも一度は乗りたかったが、今やマニアルコラムシフトに耐えられないから、見果てぬ夢になりそうだ。


 何にしても随分と久し振りにサイズを小さくしたから、運転も楽になるだろうシビックの七月末の納車を心待ちにする鄙の堂守なのである。前後して東海北陸自動車道が岐阜から富山まで全通し片側二車線部分も延伸するのである。長らく訪れていない世界遺産合掌造り白川村やその隣の五箇山荘を訪ねたついでに、氷見まで足を伸ばして夏場だけど「キトキト氷見」の魚を味わいたいし、蕎麦も嬉しいと、シビック・ハイブリッド納車のこの夏が大いに楽しみなのである。
by bouen | 2008-06-26 03:06 | Who’s 茫猿


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