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中谷巌氏の懺悔告白

 著名経済学者で構造改革推進の主・中谷巌氏が「週刊現代」12月27日・01月03日号(2008年12月15日発売)に寄稿した『小泉改革の大罪と日本の不幸』で自らの不明を懺悔されています。 今更の感もあるけれど、相も変わらぬ小泉元総理や竹中平蔵氏に比べれば学者の良心を見ると云えよう。 同じく12/19・1/2合併号の週間金曜日では中谷巌氏と佐高信氏の対談が掲載されている。



 中谷巌氏は一橋大学教授を経て、細川内閣の「経済改革委員会・委員」を務め、小渕内閣の「経済戦略会議・議長代理」を務めた方である。 現在は三菱UFJリサーチ&コンサル手ィング理事長である。 懺悔告白の詳細は週刊現代や週間金曜日をお読みいただくとして、週間金曜日の見出しを拾うとこんな具合である。 なお中谷氏は新著「資本主義はなぜ自壊したのか」を上梓されている。

・米国流経済政策は日本社会を壊す

・留学した米国で「市場主義の美しさ」に魅了され、規制緩和の旗振り役を務めてきたが、最近の日本社会の行き詰まりを懸念し、「転向」したという。

・コミュニテイの分断や、社会的な価値の毀損を考えない構造改革は、非常にまずいと思います。

・この二十年間で貧困率(所得中位の人の年収の半分以下が何%いるか)が、12.5%(1985年)から26.9%(2005年)に上昇し、社会が分断された。

・自由主義市場はパイを最大にするというが(効率的である)、富者は政治発言力を増し、情報すらも非対称化するだけでなく恣意的操作もあり得る。

・民主主義も市場も、非常にうまくできた支配のためのツールである。

 如何ですか。 遅きに失したとはいえ、あの中谷教授がここまで言うかと思います。文中で中谷氏は竹中平蔵氏を評して「コミュニテイという考えが竹中氏にはないんです。」と云う。  中谷氏の週刊現代記事の詳細は「喜八ログ」に詳しい。
by bouen | 2008-12-26 19:28 | 茫猿の吠える日々


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